夜明けはいつになりますか

発達障害持ちゲームオタク、社会からドロップアウトするの巻

002 狩猟する子供たち

 携帯ゲーム機大好き人間としては、2014年10月11日に発売されたこちらのタイトルに触れないわけにも行くまい。社会復帰一周年記念日が、まさかこんなタイトルの発売日と被るとは思いもしなかった。

 

【モンスターハンター4G】

 ゲームをやらない人でも、タイトルやテレビCMを見て「モンスターと戦うゲーム」くらいの認識はあるんじゃないだろうか。アクションゲームとして面白いのは勿論、友達とゲーム機を持ち寄れば協力プレイが出来る。友達とわいわい遊ぶライト層から、高難易度クエストに挑戦を続けるガチゲーマーまで、ユーザーの幅は広い。

 僕も下手なりにガンランスを担いでいる。上位ゴアマガラをソロで捕獲寸前まで追えるのは下手ではない!とお叱りを頂いたが、それは何度も死んで攻撃パターンを覚えたからで、モンスターの動作を見て攻撃の間合いを考えて……とまぁアクションゲームに求められるセンスは皆無だ。

 このゲームには【15歳以上対象】との注意書きがある。モンスターを「狩猟」と言えば多少ぼかされはするが、要は殺して回るゲームだ。グラフィックはモンスターもプレイヤーキャラも漫画的デフォルメをほとんどされておらず、斬り付ければ赤い血が飛ぶ。倒したモンスターからは骨やら皮やらを剥ぎ取ることが出来、ナイフでこれらを切り分ける動作もかなりリアル。子供に見せたくない、という人の気持ちは分からないでもない。

 が、剥ぎ取った素材をどうするのかというと、これを加工して武器や防具を作るのである。モンスターを倒して、性能の良い装備を作り、更に格上のモンスターに挑む。ゲーム内のプレイヤーの分身である「ハンター」は、文字通り「狩人」として生計を立てている。

 動物を殺し、剥いだ皮を着て、骨を武器に加工し、肉を食べる。この過程は映像としてショッキングではあろうが、子供に見せてはいけないものだとも思えない。

 なんで規制なんか掛かってんだろ、と呟いたところ、「子供が現実の動物に対して同じことをすると困るから」と返されて「そんなバカな」と笑ってしまった。

 笑ってから真顔になった。

 子供が真似をしたら困る──きっと一番困るのは、開発元のゲーム会社だ。「子供がこんなことをしたのは暴力的なゲームの影響だ」などと難癖を付ける人間は絶対にいる。「子供に与えないで下さいって言いましたよね」という先手を打っての年齢規制なのである。

 なるほど、規制によって守られているのはゲーム会社の方だったのね。