夜明けはいつになりますか

発達障害持ちゲームオタク、社会からドロップアウトするの巻

006 知ってしまえば案外つまらない

「答えはCMの後!」

 クイズ番組が、必ずこのフレーズと共にCMに入るようになったのはいつからだろう。僕が子供の頃にはまだ主流ではなかったと記憶している。

 気に掛かるのは、答えが出るまでテレビをガン見している視聴者など居るのだろうか、という点である。
 
 「答えはCMの後」とわざわざ言われても、CMの間に答えが出ないのは分かり切っている。出るとしたら逆に斬新で面白いかも知れないが、きっと不評だろう。

 「○秒後」と宣言されれば、その時間はきっかり目を離していられる。CMが終わった後には再度問題文が読み上げられたりもするから、同じ映像を二度見せられるくらいならその間は裏番組を見よう、となるのは自然な発想だ。我が家の場合、みのさんのタメが始まると父が野球を見始めるのが常であった。
 「答えはCMの後」は、「今からしばらくこの番組見なくても良いですよ」と宣言しているようなものなのである。

 クイズ番組の楽しみは、自主的な勉強では得難い知識がサクサク入ってくることだと思っている。「普段興味すら示さない分野の問い」→「理解」というプロセスは心地がいい。
 ところがここに「答えはCMの後」が挟まると、「答えが分からず悶々とする時間」が生じる。それが毎回となると、悶々を通り越して苛々する。

 人はクイズの回答が気になるからテレビを見るのではない。テレビは娯楽を提供する機器であり、面白ければ番組の内容はクイズじゃなくてもいい。それが苛々させられるのでは本末転倒ではないか。「この問題の得点で勝敗が決まる」みたいな、知的好奇心とは別の盛り上げどころでCMを挟むのであれば納得も行くのだが。

 ちなみに個人的には、「平成教育委員会」だけは問いと答えの間にCMを挟んで良い、むしろ挟んで貰いたい。中学入試をベースに作られた問題には紙に書いての整理や計算が必要なものも多く、CMの時間が視聴者にとってのシンキングタイムとして機能するからだ。
 解いている最中にテレビの中の回答者が正解を出してしまうと考える気も失せるし、かといって番組中で解く時間を設けてしまうと解く気のない視聴者は退屈だろう。CMの間も視聴者が参加出来る、面白い構造の番組だと思う。

 ところで近頃のクイズ番組って知識量をさほど問わない発想勝負の問題が多い気がするんだけど、これは制作側が視聴者はアホだと決めてかかっている、またはアホしか見てないという前提で作っていると思って良いんですかね。