夜明けはいつになりますか

発達障害持ちゲームオタク、社会からドロップアウトするの巻

007 成長しないという愚かさ

 クイズ番組といえば、僕には「すごいなぁ」と心から思ったタレントさんがいる。「ヘキサゴン」から「羞恥心」のユニット名でCDデビューしてしまった、あのお二人だ(もう一人はおバカが売りではなかったので除外)。

 おバカタレントブームなんて実際にあったのか、それは分からない。少なくとも僕は、そういうものはテレビの中でしか見たことがない。

 断っておくとクイズ番組に「正しく答えられない人」は必要であり、失礼ながら「世界不思議発見」の野々村さんはそういうポジションだ。誰もが粛々と正答を述べるのであればクイズ形式にする意味がないし、無駄に創造的な斜め上の回答もそれはそれで楽しみの内と言える。

 このお二人も例に漏れず、クイズ番組のビリっけつ担当だった。「ちょっとお勉強が苦手な人」どころか「非常識レベルでものを知らない人」の域だったように思う。度を越していたからこそ「じゃあおバカユニット作ろうぜ」という発想にもなったのだろうが。

 彼らが凄かったのは、ユニット結成と同時に「俺は馬鹿なのだ」と自覚を持って勉強を始めたという所である。

 おバカが売りなのに勉強してどうするの、逆に馬鹿だろ?という気はしないでもない。常識問題にすんなり回答出来るようになってしまったら、あの番組での彼らの居場所はなくなってしまう。それでいじってもらえるんだから勝ち組、とドヤ顔しても許されるご職業である。

 しかし本当に勉強したのだろう、時間の経過と共に珍回答率は低下し、番組終了間際には「ちょっと勉強不足気味の普通の人」くらいにまで成長していた……ように思う。あくまでも僕がテレビで見ていた感じ、の話。

 あの年齢でも、人間は学ぶ。進歩する。
 そういう趣旨の番組ではなかったはずだが、僕は大変に感動し、今でもテレビでお顔を拝見する度に「頑張って下さい……!」と応援している。

 そういえば、長らく勉強をしていない。
 クイズ番組の問いにはそこそこ答えられるから、自分は馬鹿じゃないように錯覚している。いや、その水準の知識は確かにあるのだが、果たしていつ勉強した内容だったかを考えると恐ろしい。出題される問題のほとんどは中学レベルの復習か雑学の範疇であって、勉強らしい勉強からは程遠い。

 どれだけ知識の貯蓄があっても、学習も進歩もしない僕はとっても馬鹿っぽい。
 初心に帰って算数のドリルでも買えば良いのかな。